花を男子に、で八七歩
ルトガー・ハウアーの大ファンでもない限り話題に上ること少なきサム・ペキンパーの「バイオレント・サタデー」は一人の人物のある行為によって鮮やかに記憶される“忘れじの映画”である。未だお美しくあられたルトガー・ハウアーの項に妻役のメグ・フォスターが軽く口吻けするのだ。
贔屓の男優が誰をきつく抱き締めようが、糸を引くようなキスをしようが、くんずほぐれつ絡み合おうが何とも思わないが、このように男女逆転行為を目撃すると電流が走り、全身勃起状態になるくらいコーフンするのである。なりかわりたや![]()
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TVの「アダムスのお化け一家」で確かアダムス夫人がフランス語を発すると興奮したアダムス氏がその手の先から肩の近くまで順にキスしていくのが今風に言うとお約束であった。いつの日かこれぞわが美神なりと見定めた美しい雄の前に跪き、そのような行為に及びたいと夢みつつ、今も妄界をさすらい続けるのである。
それは“Impossible Dream”として、なぜなら実人生では理想の美の主どころか唯の美男に出会うことさえ稀有なのだから、とにかく“ごっこ”でいいから花を贈りたい、女から男へ、なにがなんでもと狙っていたら、野郎友の中に対象発見。というより、絶好の機会を提供してくれたのが、小中と同級だったが高は他校、大は日本海側に行った男子。休暇を終えて戻る際見送りに行き、ありのままを話してムリヤリ贈ることに成功した。当時は未だ珍しかった大輪ガーベラ(今は大輪が外れた)一輪。居合わせた高校時代の友人と思しき二人に冷やかされたのは少々気の毒ではあったが、こちらの意図を確実に受け取ってくれる最適任者だったので辛抱してもらった。
いやいや継がされた会社の社長に納まったが、いつの頃だったか、その業界では大手の会社に吸収合併されたようだ。その後の身の振り方までは分らない。それなりに満ち足りた人生を送ってくれていたらと祈るのみ。言い忘れたが、目鼻立ちの整った日本人形風の容貌であったことも贈る相手として迷わなかった理由の一つ。ほんこでなくてもそこはそれそれ兎のダンス・・・である。
「抱かれたい男」なる表現を見聞きする度、独りごつ。「抱きたい男」と言え!
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