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クローン人間と96歩

 クローン人間を簡単に作ることができたとして、それを望むかと言えば、答えは否。コンピューターの引越しのようにわたしの記憶を丸々引き継ぎ、あと50~100年生きるというなら、肯へと大いに傾く。その場合、このわたしはどうなる?クローンが病気になった時の為の臓器提供物?となると無用の長物の最たるものが脳?!

 生きる時代が異なるとはいえ、わが記憶を引き継いだクローンは同じ好み、同じ考えで同じようにしか生きられないだろうから、じき己に飽きるだろう。わたし自身、既に幾度か経験しているのでクローンは初めからうんざりしているかもしれない。だが、退屈はしないだろう。ある条件の下なら、10万年生きても退屈しない自信がある。

 その条件とは、賃労働、家事労働なし。

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